すでに半月以上前の事になりますが、九州パフォーマーさん達に同行させてもらい、3泊4日で対馬へ遊びに行って来ました。
前日のうちに羽田空港の近くへ宿泊して、朝一の飛行機で福岡へ。そして港へ向かい、4時間掛けて対馬へフェリーで移動しました。

総勢10名の大移動。対馬へ向かうまでに陸・海・空全てを使い到着です!
滞在先は対馬出身のパフォーマーさんがいらっしゃったのですが、その方の祖父宅へおじゃまさせてもらいました。
数年前にはお亡くなりになっていらっしゃったですが、今でも親族の方が管理されているとのことでとても綺麗でビックリするくらい広くて立派なお家でした。
色々と素敵なところは沢山あったのですが、個人的に一番楽しかったのは薪風呂。
10人もいると食事、風呂、トイレは結構問題になるので到着次第確認したところ、どうもガスが使えない…。
あれ?お風呂どうやって使うんだと思ったら、

ふぉっ??
なんじゃこりゃ?

うむむ???
ピーン!
これ!テレビで見たことある薪風呂だ!
使い方はよく分からなかったですが、内外の設備から推測して
1、湯船に水を張る
2、薪を炊いて火を燃やす
3、適温になるまで薪をくべ続ける
4、あとは温度差で勝手に暖まる。

簡単なイラストで申し訳ないですが凄くシンプルな仕組みながら、なるほどと思ってしまう作りになっています。
(薪風呂って湯船の下から熱してると思っていました。)
お風呂は数年使われていなかったらしく、ボイラーの掃除から。
薪は沢山用意されていましたが、ボイラー用に割くところからの作業です。
うーん!楽しい!
数人がかりで3日分の薪を割って

このあたりは埼玉のファイアマスターと呼ばれたSyanの腕の見せ所。
「全ての力の源よ 輝き燃える 赤き炎よ 我が手に集いて力となれ」
ハーッ!
くっくっく!俺様の魔力もまだまだ衰えちゃいなかった様だな!
などと宣いながら、替りに火の番をして1時間半くらいで湯船一杯が熱くなりました。
お風呂は10人順番に入ることになったのですが、シャワーが無いため湯船からの汲み出しで賄うため、残念ながらお湯に浸かる事は出来ませんでしたが、体に掛けるだけで芯まで暖まる不思議なお湯でした。
聞いた所によると対馬は水道水から凄く品質が良いらしく、それを薪で暖めたらそりゃあ良いお湯になるに決まっていますね。
遠赤外線効果?で温泉みたいな温まり方をしていたのもそれかもしれません。
さて、日程的にはサバゲーが先だったのですが、書き物的に先にスピアフィッシグの方を。
本来この対馬旅行は昨年の10月くらいに
「対馬出身の子がいるから対馬に潜りに行くべー」
といった企画から始まりました。
しかし季節は巡り巡って3月初旬。
海の季節は陸の2ヶ月遅れと言われますが、それでも1月初旬。完全に冬に入っています。
ということで10人のメンバーの中で潜るのは僕とCHIKIさんの2人だけ。あとは釣りに精を出しておりました。スピアフィッシングは魚を獲るだけが目的じゃない、海に抱かれる事で自然の偉大さと素晴らしさを楽しむのも醍醐味だというのに(´・ω・`)

毎回恒例、潜る前の雄姿。
右手に持つはかの伝説の名槍、グングニル(4m、チョッキ銛、チタン継ぎカーボン製)
冬の海は初めてだったので、気合を入れて普段の5mmのウェットの下にフードベストを着込んでの挑戦!
これなら大丈夫!と気合を入れて潜りにいきましたが、
背中のチャックを閉め忘れていたことに気付いたのは入水後。大量の冷水が入り込んできて思わず悲鳴を上げてしまいました。
チャックを締め直したら2分ほど動かずじっとして入り込んだ水を体温で温めます。
ウェットスーツはドライスーツと違って、一度入れた海水を温めることで体温を維持する仕組みになっています。
うん、動ける!これくらいならなんとか大丈夫!
ダイバーズウォッチで確認すると水温14℃体感だともう少し冷たい気もしますが、分かったところでどうにもならないので魚を探していきます。
この日は風も強く、波も高い。しかも対馬は海流のぶつかり合う島。
バディがいるのは心強いのですが、初めて来た海ということもあり最初に決めた約束事は
「絶対に無理をしないこと。生きて帰る」
少しでも危ないと思ったら引き返す様に取り決めました。
波の少ない湾の中で魚を探しますが、なかなか見つかりません><
潜った場所が悪かったのか海底には餌や隠れ家になる海藻が少なく、魚がいても雑魚や獲っても美味しくない魚達ばかりです。
http://www.youtube.com/watch?v=1_Ug1VTPvzMhttp://www.youtube.com/watch?v=sNIyuz13vHEhttp://www.youtube.com/watch?v=9igkzrdp7PA少し欲を出して沖の方へ行くことになり移動すると…
水深と共に急に魚のサイズと魚種が増えました。
普通に50cm〜の魚が泳いでいますが、それに伴い海流が明らかに強くなっています。
CHIKIさんと見合わせて適当な魚を獲ったら引き上げることに。
この時点で大体1時間半程潜っていたので手足の末端の感覚が少し鈍くなってきていました。
大きな魚にもチャレンジしましたが、回遊型なのでチャンスも少なく残念ながら時間切れ。
少し前に目星をつけていた漁場へ戻り手土産用の獲物を獲りにかかります。

そして獲ってきたのがこれ。
ハリセンボン、沖縄地方の呼び方は「アバサー」という高級珍味の1つでもあります。
http://www.youtube.com/watch?v=lgUAiEjAsBw珍しく丁度動画撮っている時だったので映像が残っていますが、膨らんだ時にはかなりテンション上がっています(笑)
見事狙い通り体と肝を傷つけないように口の端を貫いていますね(・´з`・)
正直、ちょい深いところを無警戒で泳いでいるので銛人としては面白みに掛けますが、今回は今年初潜り。無理はしないのでとりあえず食べたことの無い魚種に期待を掛けます♪

「とったどー!」
大きい方は膨らんでバレーボールくらいの大きさになっているので結構重い><
しかも風がめちゃめちゃ強いので顔がすんごく引きつっています。
すぐに流木を集めて焚き火をしたり持ち込んだコンロでお湯を沸かしてスープやカップラーメンを食べて着替えてホッと一息。
ひと通り釣りの冷やかしをして帰投。
早速アバサーの調理に掛かります。
アバサーが食べれるということは、秘密のケンミンSHOWでバッチリ見ていたので確証があったのですが調理法や捌き方は分からないので、帰宅途中にスマートフォンで下調べ。
…便利な世の中になったもんですね。

箱の中では海水を吐き出して小さくなったアバサーさんが。
ふぐ目なので生命力はとても強く、箱からだしてもバタバタと暴れ回るアバちゃん。

トングで抑えながらハサミでトゲのついた皮ごとバリバリと剥がしていきます。
要領はカワハギなんかと一緒だったので、結構楽しかったりします。


ほとんどの魚は三枚おろしくらいなら出来ますが、こういう風な専門的な捌き方の魚は試行錯誤が面白いです。

綺麗に剥がれた皮。
順調のようにみえますが、手のあちこちを鋭い刺で刺されるので結構苦戦しました><

皮を脱がされたアバサーさん。
まんまるに見える体ですが。実は頭周りと背骨周りにしか肉は付いていません。
でも、この肉がほぼフグの様な食感と味、そして骨から出てくる出汁がなんとも絶品らしいです。
左に見えるのは肝ですが、ほぼ肉と同じくらいの量がとれました。

泡盛はなかったので、焼酎に漬けて臭みを取り除きます。

本体は頭ごとぶつ切りにして鍋の中へ。肉の質感は鶏ももみたいな感じで、唐揚げとか刺身にしたら絶対に美味しいですが、人数が多いのでみんなで食べれるアバサー汁に。
水を入れたら弱火でコトコト煮込み丁寧にアクをすくい、くさみが抜けた肝に同量の味噌を混ぜて手で潰したら筋を取って鍋の中へ。
あとは沸騰しないように煮込んだら完成です!

食べる直前にはネギをいれましたが、ほぼアバサー本体+味噌のみで出来たアバサー汁!
沖縄では美味しさと希少感から高級珍味として親しまれているそうです。
食べてみると、煮込んだにも関わらず肉にはしっかり味が残っており濃厚なフグっぽい味がします。
汁はまさに絶品で凄まじく濃い出汁と、肝の濃厚な旨味。
肝は結構クセがある場合が多いのですが、アバサーの肝はほぼクセがなく一日経った次の日でも臭みが出ずに美味しく頂けたのがその証拠でしょうか。
動画を見てもらったら分かる通り、獲るのは易くても持って帰るのがしんどいハリセンボンですが、今度見つけたら絶対に肉を唐揚げにしてたらふく食べてみようかと思います(・´з`・)
カワハギも動かず楽に獲れる美味しい獲物ですが、易くて美味いターゲットにバッチリ追加です。
その2へ続く