さて、風乾を越えたこれからが燻製の醍醐味。
熱を使った行程になります!
風乾で表面が乾燥しても肉はまだ水分を多く含んでいるらしく、それでは煙が中間で浸透しにくいとのこと。
そこで次の行程が「温乾」です。
熱源を使って肉を温め水分を飛ばす行程。
肉の数があまりにも多いので、庭先で電熱線コンロを使って、
屋内でコンロを使っての作業です。

一見肉を炙っているように見えますが、熱量が大したこと無いため50℃くらいにキープしています。電熱線コンロは熱の管理がやりやすくて助かります。

大きな鍋を使ってのガスコンロ。
が、ここで問題発生!
別の料理の準備や仕込みをしていた所、電熱線コンロ組も、ガスコンロ組もどちらも温度が上がりすぎてしまったみたいで…

完全に50℃を越えて、乾燥という行程から調理という行程に自動移行しており、もはやただの焼き豚に('A`)
しかも滴る脂で電熱線コンロの方は焦げ臭い煙がモクモクと立ち上がっていました。
これはまずい!ということですぐに取り入れて脂を拭き取り、急遽燻製をすることに。
しかーし!
温乾の段階でわたくし、ちょっと気づいておりました。
肉の量に対して燻製器が小さすぎる!
2kgほどの肉の内、おそらく半分も燻製器に入らないっぽい。しかし2回に分けて作るには時間が足りなすぎる…。
急遽深夜までやっていたスーパーを訪ねて大きめのダンボールを2つほど頂いて来ました。


電熱線コンロでの経験を踏まえて、熱源は脂の落ちてこない場所へ張り出しを作りそこへ。

脂は落ちてこないけど、煙は全部上に上がる様になっています。

中にバルーンで使う資材のアルミ棒を貫通させて肉掛けの出来上がり!
ステンレスの燻製器では場所が決まっていますが、ダンボールであれば自由にどこにでも穴を空けて場所を決めることが出来るのがメリットです。
僅か5分ほどで作ったダンボール製燻製器でしたが、とりあえずは燻製を開始することに。

肉を下げます。
ちょっと焦げているのが温乾ならぬ、バーベキューしちゃった結果です><

広々とした空間で2kgの肉もすっぽり!
ダンボール燻製器、実は凄く使えるっぽいです!

今回は初心者でもあるので、おすすめで無難な桜チップを使います。
電熱線コンロの上にある更に乗せて、肉への照りだしの為の三温糖(本当はザラメが良いらしいです)を乗せて、スイッチオン!

600Wの強火で熱してから、煙が出てきたら300Wに下げて安定させます。

温度も諸説ありましたが、大体70〜80℃位をキープ。
途中で目を離していたらチップが燃え尽きて100℃近くまで温度が上昇していたり、ちょっと火傷したり色々とありましたが、たっぷり4時間燻製!
出来上がりがこちらです!

すげー!
男の、いや、人類のロマンそのものではなかろうか!
色々と心配な所もありましたが、綺麗に色づいて燻製らしくなっていました!

ああ…もう、かぶりつきたい(゚д゚)
と、ここで食べたいところですが燻製後すぐは大分スモーキーな感じが残っているので、唾を飲んでラップして冷蔵庫で1日弱追熟…。
の間に、ゆで卵とチーズも乾燥させて、燻玉と燻製チーズを作ります。
写真はないですが、燻製手羽元や、燻製ソーセージと、燻製尽くし!

卵は半熟で作っているため、またチーズは溶けてしまうためにこちらはあまり温度を上げず40〜50℃くらいで1時間ほど燻製。ほぼ香り付けの様な感じです。
ソーセージや手羽元は熱を通してそのまま食べれるようにするため120℃程での熱燻という行程。
素材や狙いによって温度の調整をするのは面白いですね^^
さて、なぜ突然燻製を作り始めたかというと、実は自宅にパフォーマーが集まり去年、今年漬けた
「果実酒を楽しむ会」
というのを企画していたからです。
果実酒と手料理を…とのことでしたが、せっかくなので興味のあった燻製にもチャレンジしてみようと思ったのでした。

いただきもののシャンパンのおつまみに燻製チーズ。

燻玉は秘伝の方法で黄身はとろりの極上の仕上がり。
十数個作ってしまって、多いかなぁと思っていましたが、あっという間に無くなってしまうほどの人気を得ておりました。

元シェフをしていたパフォーマーさんのお手製パスタ♪
ちなみに…メインの果実酒は去年と今年のを合わせて

「あんたバカー?」
↑褒め言葉です。ありがとうございます!
果実酒も燻製も好評で、時に真剣に時にふざけた会話も楽しく、とても楽しい時間を過ごさせてもらいました。ほぼ寝ずに作った燻製でしたが、眠気も体の疲れも吹っ飛ぶ程の満足。寝るだけ、休むだけが休息じゃぁ無いんです^^
メンバーの都合の合う日がたまたまこの日だったのですが、自分にとっては特別な意味を持つ日だったので、そんな日をこんな風に過ごせたのは本当に嬉しく、ありがたいことでした。
さて、今回の燻製記はこれで終了ですが、これはあくまで序章に過ぎません。
これからも合間を見つけてはドンドンとチャレンジしていきたいと画策しております^^