2012年12月10日

燻製記その2

その1から


さて、風乾を越えたこれからが燻製の醍醐味。
熱を使った行程になります!

風乾で表面が乾燥しても肉はまだ水分を多く含んでいるらしく、それでは煙が中間で浸透しにくいとのこと。

そこで次の行程が「温乾」です。


熱源を使って肉を温め水分を飛ばす行程。


肉の数があまりにも多いので、庭先で電熱線コンロを使って、
屋内でコンロを使っての作業です。

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一見肉を炙っているように見えますが、熱量が大したこと無いため50℃くらいにキープしています。電熱線コンロは熱の管理がやりやすくて助かります。


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大きな鍋を使ってのガスコンロ。



が、ここで問題発生!



別の料理の準備や仕込みをしていた所、電熱線コンロ組も、ガスコンロ組もどちらも温度が上がりすぎてしまったみたいで…


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完全に50℃を越えて、乾燥という行程から調理という行程に自動移行しており、もはやただの焼き豚に('A`)

しかも滴る脂で電熱線コンロの方は焦げ臭い煙がモクモクと立ち上がっていました。



これはまずい!ということですぐに取り入れて脂を拭き取り、急遽燻製をすることに。


しかーし!


温乾の段階でわたくし、ちょっと気づいておりました。




肉の量に対して燻製器が小さすぎる!



2kgほどの肉の内、おそらく半分も燻製器に入らないっぽい。しかし2回に分けて作るには時間が足りなすぎる…。


急遽深夜までやっていたスーパーを訪ねて大きめのダンボールを2つほど頂いて来ました。


DSC01796.jpgなんとなくの知識は得ていたので、その場でダンボールを組み上げて自家製燻製器完成!


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電熱線コンロでの経験を踏まえて、熱源は脂の落ちてこない場所へ張り出しを作りそこへ。


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脂は落ちてこないけど、煙は全部上に上がる様になっています。


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中にバルーンで使う資材のアルミ棒を貫通させて肉掛けの出来上がり!


ステンレスの燻製器では場所が決まっていますが、ダンボールであれば自由にどこにでも穴を空けて場所を決めることが出来るのがメリットです。


僅か5分ほどで作ったダンボール製燻製器でしたが、とりあえずは燻製を開始することに。


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肉を下げます。
ちょっと焦げているのが温乾ならぬ、バーベキューしちゃった結果です><


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広々とした空間で2kgの肉もすっぽり!
ダンボール燻製器、実は凄く使えるっぽいです!




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今回は初心者でもあるので、おすすめで無難な桜チップを使います。
電熱線コンロの上にある更に乗せて、肉への照りだしの為の三温糖(本当はザラメが良いらしいです)を乗せて、スイッチオン!


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600Wの強火で熱してから、煙が出てきたら300Wに下げて安定させます。


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温度も諸説ありましたが、大体70〜80℃位をキープ。


途中で目を離していたらチップが燃え尽きて100℃近くまで温度が上昇していたり、ちょっと火傷したり色々とありましたが、たっぷり4時間燻製!


出来上がりがこちらです!



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すげー!
男の、いや、人類のロマンそのものではなかろうか!

色々と心配な所もありましたが、綺麗に色づいて燻製らしくなっていました!


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ああ…もう、かぶりつきたい(゚д゚)


と、ここで食べたいところですが燻製後すぐは大分スモーキーな感じが残っているので、唾を飲んでラップして冷蔵庫で1日弱追熟…。


の間に、ゆで卵とチーズも乾燥させて、燻玉と燻製チーズを作ります。
写真はないですが、燻製手羽元や、燻製ソーセージと、燻製尽くし!


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卵は半熟で作っているため、またチーズは溶けてしまうためにこちらはあまり温度を上げず40〜50℃くらいで1時間ほど燻製。ほぼ香り付けの様な感じです。

ソーセージや手羽元は熱を通してそのまま食べれるようにするため120℃程での熱燻という行程。

素材や狙いによって温度の調整をするのは面白いですね^^




さて、なぜ突然燻製を作り始めたかというと、実は自宅にパフォーマーが集まり去年、今年漬けた
「果実酒を楽しむ会」
というのを企画していたからです。

果実酒と手料理を…とのことでしたが、せっかくなので興味のあった燻製にもチャレンジしてみようと思ったのでした。



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いただきもののシャンパンのおつまみに燻製チーズ。


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燻玉は秘伝の方法で黄身はとろりの極上の仕上がり。
十数個作ってしまって、多いかなぁと思っていましたが、あっという間に無くなってしまうほどの人気を得ておりました。


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元シェフをしていたパフォーマーさんのお手製パスタ♪



ちなみに…メインの果実酒は去年と今年のを合わせて
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「あんたバカー?」
↑褒め言葉です。ありがとうございます!


果実酒も燻製も好評で、時に真剣に時にふざけた会話も楽しく、とても楽しい時間を過ごさせてもらいました。ほぼ寝ずに作った燻製でしたが、眠気も体の疲れも吹っ飛ぶ程の満足。寝るだけ、休むだけが休息じゃぁ無いんです^^


メンバーの都合の合う日がたまたまこの日だったのですが、自分にとっては特別な意味を持つ日だったので、そんな日をこんな風に過ごせたのは本当に嬉しく、ありがたいことでした。



さて、今回の燻製記はこれで終了ですが、これはあくまで序章に過ぎません。
これからも合間を見つけてはドンドンとチャレンジしていきたいと画策しております^^
posted by Syan at 13:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 趣味

燻製記その1

さて、事の発端は半月ほど前。


先輩芸人さんのTwitterで上げられた写真の数々。

「『銀の匙』を見て影響受けて燻製やってみました。」


美味しそうな燻製の写真!ベーコン、チーズ、ソーセージ!

こりゃあ、やるしか無い!

ということで勝手に盛り上がって僕も燻製にチャレンジしてみました。




色々と文献やサイトを調べてみて分かったこと。

あまりにも沢山の方法や理論がありすぎる!

決して方程式や攻略法があるわけじゃなくて、それぞれの理念にそれぞれの価値観や好みを合わせて自由の楽しむ。

それが燻製だということ。



要は、外さないポイントさえ抑えておけば、やり方は適当でも何とかなるらしい…。



適当…。

大得意ですぜ!


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まず肉を用意。

買いすぎだ(・ω<)テヘペロ

安い肉でも大丈夫ということで、業務用スーパーを中心に豚バラを購入。
他にも実験ということで肩ロースとヒレも別途購入。

なんでこんなに大量買ったかというと、いろんなスパイスや燻製方法、部位による味の違いなど色々とデーターを揃えたかったこと。
あとは勢い付いちゃってついつい…(・ω<)テヘペロ


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まず肉をしっかりと流水で洗い、余分な筋や脂肪を落としておきます。


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キッチンペーパーでしっかり拭きとったら…


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竹串やフォークで、塩やスパイスを揉み込むための穴をあけます。
大きめのフォークを両手に持って「アータタタタタタ!」というノリで穴を開けると結構すぐに完了します。
「お前はもう死んでいる」(肉ですから当然)


次に塩の用意です。

サイトにもよりますが、どこでも大体が
・岩塩
・海の塩(粗塩など)

がおすすめとのこと。ただの食塩では味気ないものになるとか…。

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分かりやすく岩塩購入。
肉に対する%で塩の量も決まります。
このあたりも文献により若干ばらつきがあるのですが、味付け以外に防腐作用などの効果もあるので心配なら多めの方を、慣れているなら少なめの量を参考にすると良いと思います。



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中に三温糖を入れます。
これが意外とコツなのだとか…。


ここからは塩を分けてスパイス毎に
漬け塩を作っていきます。
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まずはシンプルイズベスト。ブラックペッパーのみ。



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次にシナモン、セージ、ナツメグ、ガーリックパウダー。
もっと色んなスパイスもあるそうですが、とりあえずはお勧めのこのあたりを。
このうち、シナモンパウダー以外は元々うちのキッチンのスパイスコーナーに置いてあったのが自炊派ならでは。(シナモンはスティックならあるのです)


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ローレルを砕いて肉にまぶしたら空気をしっかり抜いてジップロックへ入れます。

これで完了!冷蔵庫へインします。


あとは毎日1回ほど肉を上下ひっくり返します。


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数日おいたら、肉が美味しそうなアメ色に。まるで生ハムです(∩´∀`)∩

熟成期間も資料により
4日〜1ヶ月
という、もう期間とか関係なくない?というレベルでの開きがあります。この辺りは完全の好みでしょうが、今回は燻製ベーコンを出したい日が決まっていたのでその日からの逆算での熟成となりました。
おおよそ5日程。浅い方…だと思います。



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熟成が終わったら塩抜きをします。
これが味を決める一番の行程らしいです。

肉を重ならないように桶に入れたら、流水で数時間塩を抜きます。
2時間〜という目安がありますが、とりあえずは

・肉を切り分けてみて「ちょっと薄味かな?」と思うくらいまで塩を抜く

という目安が一番多かったように思います。
この行程は先輩芸人さんから、
「思った以上に塩辛くなるからしっかり抜いておいたほうがイイ」
とのアドバイスを頂き、4時間くらい流水で塩抜きをしておきました。

結果からするとこれでもちょっと塩っぽいくらいでしたが、好みによっては全然バッチリという感じだったので、目安は4〜6時間くらいなのかな?
熟成の期間と、同時に抜く肉の数も関係すると思うので、あくまで目安程度に。
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味見


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流水で塩抜きした後は、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭きとって、風乾ー風で乾燥をさせて水分を飛ばします。

これも頂いたアドバイスから干物用ネットを利用したので、余計なゴミや裏返しなど気にせず出来ました^^


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念のため下にはサーキュレーターを置いて風乾を促進させます。


ホントは数時間で良いみたいですが、仕事の関係で6時間ほど乾燥。


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塩抜きで白くパサパサした感じになっていたお肉は表面が少し張ったアメ色のお肉へ戻りました。



燻製記その2へ続く…






posted by Syan at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味

落花生収穫

春先に、市民農園の隣の区画のおばちゃんから頂いた落花生の種。


「ゆで落花生にするとうんめーから、ニイちゃんも植えてみ。」



半分押し切られるように植えてから半年。
ほぼ放置で育てておりましたそんな落花生が先日収穫の日を迎えました。


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本来は植えてからの日数とか、葉の先が黄色くなり始めてからとか収穫時期の目安があるらしいのですが、しばらく忙しい日々が続いていたため適期は完全に逃してしまっていると思います。
現に、種を下さったおばちゃんの畑からは結構前に落花生の姿が消えていました。


それでもきっと大丈夫!だって生命の詰まった種子なんだから!


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畑用の作業服に着替えてメンテを付けておいやっ!



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おおおお!!!!
ばっちりと落花生!

落花生がなっております。
以前のブログでも紹介したように、落花生は芋の様に根に生えるものではなくて、樹上で咲いた花が受粉するとつるを伸ばすようにして地面に潜りその先に実をならすのです。

なので、根を引いても土にあまり残らず一気に全部引き抜ける感じです。


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5株ほどあった落花生は全部引いてこんな感じ。次は実をつるから外す作業です。


プチッ


プチッ


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リズミカルに次々と落花生を外していきます。
収穫時期が遅れたせいか、写真の様に割れてしまっていたり、黒ずんだり虫にやられてるものが結構あったのが残念です。
この様なものは畑に置いていきます><


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量が分かりにくいのですが、おおよそ2kgほど。市販されている乾燥落花生と違い、実に水分が多く含まれているので、結構とズッシリした重さを感じます。


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帰宅して早速洗浄。


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そして日陰干し。


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2〜3日乾かしてからの取り入れ。


いつの間にか完全な落花生になっておりました。


早速十数粒を茹でて頂いてみると


んマーイ!


たまに居酒屋などでゆで落花生を頂くことはありますが、
それらより形は悪くても、味が濃くジューシーで(?)、落花生を食べている感じではありません。(残念ながら写真はありませんが…)

そして、近所へ少しずつおすそ分け。
市販品を買ったら大した金額でもないですが、自家製の採れたてというのはお金に変えられない価値があると思います。

多忙な日々の中で、たまの休日。
そんな日に育てた野菜で充実のひととき。

土も野菜もストレスや疲れを吸収する効果があるのかな?
さて、これで気合い入れ直して12月を乗り切っていこう!




posted by Syan at 12:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 家庭菜園

GLOBAL

先日、東急ハンズへ資材を買いに出かけた時、ふと目に止まった包丁コーナー。


「ああ、そういえばお刺身捌くのに柳刃包丁欲しかったんだよなぁ…」


じ〜。


じ〜。


じ〜。


ハァ、今は荷物になるし早急に必要でもないし、今の包丁でもそこそこ捌けるし、結構なお値段するし、キッチンの包丁ストッカーにはもう空き無いし…


う〜ん。


よし、今回は諦めt…



店員さん「お客様、ご覧になるのでしたら鍵開けましょうか?」


と突然女性の店員さん。
包丁は施錠されたガラスケースに入っているのですが、そこの前で包丁ガン見している自分に気付いたらしい。


いやいや、僕は別に包丁買いに来たわけじゃないし、別に必要じゃないし、今は荷物になるし、わざわざ店員さんの手を煩わせてまで見たいもんでもないし、別にほっといてよn…


店員さん「直接ご覧になれますよ?」



………。
まぁ、後学の為に見るだけなら問題ないでしょ。別に買うわけじゃないし。
わざわざ声を掛けてくれた店員さんの親切を断るのって逆に失礼だし、紳士としてここは女性を立てておきますか…。


Syan「あの柳刃包丁を見せて、見せて頂けますか??」


店員さん「かしこまりました」


ガチャッ、ガチャッ、シャー。

コトッ。サッ。




解錠して実際に手に取らせてもらう柳刃包丁は今までの包丁と違って長さがあり(24cm)、手に持った時の重心の感じや吸い付き方が少し違った様に感じた。

まぁ…いい包丁だからなぁ…。今回は買わないとしても、やっぱり今度魚捌くときにはやっぱり欲しいよなぁ…。
それにしてもなんでGLOBALってこんなに男心をくすぐるデザインと機能美なんだろう…。
今度時間があるときには是非一度真面目に購入を検討してみよう、そうしよう。

さて、そろそろ次の予定の時間だし移動しないとな。

…あ、そうだ。
これ今度来た時に在庫ないと困るから一応聞いておこうかな…。




Syan「これって在庫どれくらいありますか?」


店員さん「少々お待ちください」


・・・・・・。


店員さん「申し訳ございません。こちら只今在庫が切らしており、次いつ入荷するかは未定とのことです…。他店舗に在庫がある場合はございますが、こちらの展示品でよろしければお渡しすることも出来ますが…。」


Syan「あ、買います。」


店員さん「え?」


Syan「展示品で結構です。これ下さい!」




エンダーーーーーーーイアーーーーーーーーー(Vo:ホイットニー・ヒューストン♪)





あーあ、やっちった。でも後悔はしていない。
きっとあの包丁は巡りあうべくして巡りあった運命の包丁。
何かの糸に惹かれて今日この場所で立ち止まり、見入った事がその証拠ではなかろうか?

店員さんが声を掛けてきたことも、とりあえず手に持ってみたことも、在庫がなかったことも、最初に見入った展示品そのものを購入することになったことも、きっと全てが予定調和の中、運命の輪に予め組み込まれていたに違いない…。


違いない…。


違いない…。



ハンズ店員ズ「お買い上げあーがとーございあっしたー!」

絶対にあとで「ちょろかったよねぇ。」「買う気まんまんだったよねぇ」
とか言われてそう。



でもそんなの気にしない!ココロ晴れ晴れの中、用事を済ませて帰宅して開封した、
GLOBALの新しい包丁がこちら

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外箱


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開封!


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在住人とご対面。
(あまり綺麗に写真撮れずにすみません。)


突然の衝動買いでしたが、包丁は一生もの。一生かけてこの元を取ると考えたら決して高いものではありません。まだ余裕がなくて魚を捌いて刺身にするまでは行ってませんが、次からこの包丁使えるのかーと考えるとスーパーに行っても鮮魚コーナーでワクワクが止まらないと思います。


さて…。


ハンズの店員さん、あんたにゃー負けた!

とっても気持ちよくお買い物出来ました!

今度これで捌いたお刺身で白米を掻きこむまで、「黒張 やなぎ」ちゃんは包丁ストッカーでおやすみなのです。
posted by Syan at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 料理